彼の身を案じての言葉  ≪人物・歴史・ゼノン≫

ゼノンとアンティゴノスアンティゴノス王は、キティオン出身のゼノンを尊敬し、寵愛もしていた。

ある時泥酔したアンティゴノスは、酒の勢いでゼノンのもとに押しかけ、彼に接吻して抱きかかえながら、酔いにまかせて、何でもよいから自分に言いつけてくれと、まるで年端もゆかぬ少年のように、彼の言うことは必ず聴くと誓言までして言ったのである。

ゼノンはそれに対して、「あっちへ行って吐いてきなさい」と厳然たる中にも寛容の気持ちをこめて言ったのであるが、酩酊を咎めるとともに、飽きるまで飲酒して身を亡ぼしてはならぬ、と彼の身を案じての言葉であった。

(「ギリシア奇談集」アイリアノス)これは唯物論的汎神論を説いたストア派の祖ゼノンの、酔っ払いに対する態度だそうです。
update:2009年09月02日